全身の脱毛をエステサロンで実施した場合におきましては最低でも5万円以上の費用が必要ブログ:2016/1/27
1週間位前、ふた月振りにママが帰ってきた。
「お父さんの還暦祝いをするんだけど、来てくれる?」
父の勤務地が変わって、
ママは父と神戸へ行ってしまった。
そして、ママはときどき一人で神戸に帰ってくるのだ。
ママが戻る日…
おれは仕事で休めなそうにないから無理だと言うと、
ママは寂しそうな顔で家を出ていった。
おれは家で一人ぼっちになると、
ママには悪いことをしたなぁ…と後悔した。
沈んだ気分を吹き飛ばしたくて
おれはテレビをつけた。
司会者とゲストが楽しそうにおしゃべりしている。
その遣り取りで、
おれはゲストが司会者から電報を受け取っているのが気になった。
「そういえば、電報という手があるな!」
父の還暦祝いに、
おれは真っ赤な鳳凰が羽ばたいているデザインのカードを選んで、
メッセージを添えて贈ることにした。
父の還暦祝いが行われた翌日、
ママから電話がかかってきた。
ママの声はいつもより弾んでいた。
「ありがとう。電報届いたよ。
感情をあまり出さないお父さんの久しぶりの笑顔が見れたわ」
「お父さん、喜んでくれたんやな」
「当り前よ。お父さんね、メッセージを読んでからしばらくの間、
鳳凰にみとれていたわ」
おしゃべり好きのママの話はいつものように脱線し、
なかなか話が尽きなかったが、
ようやく電話を切ることができた。
ママの声が聞こえなくなると、
今度は父の姿が浮かんだ。
今頃
座敷に胡坐をかいて愉快な顔で
父はお酒を飲んでいるのかなぁ…
その横で、あの真っ赤な鳳凰は羽を休めていることだろう…