脱毛器のランキングサイトなどで脱毛クリームの特徴などを比較してみると良いブログ：2021/12/16
あれはぼくが小学３年生の秋、
窓を閉めて寝る季節のことだった…
母親は夕方９時から１０時の間に自分の部屋にこもり、
「決して襖を開けてはいけない」と言った。
ぼくはそれに従った。
だけど、それにしても、
一体、母親は何をしているのか？
なぜぼくは見てはいけないのか？
何か秘密でもあるの？…
そのうちだんだん妙な疑惑と不安がのしかかってきた。
もしかして、
母親は「鶴の恩返し」に出てくる鶴ではないか？
隠れて織物を織っているのではないか？
実は「雪女」で、襖を開けたら、
真っ白の風にくるまれ、消えていくのではないか？
ぼくは、そんな化け物から生まれたのか？
怖いやん…めちゃ怖くて、泣きそうやん…
こんな秘密を持つなんて、
きっと母親はぼくが嫌いなんだ、
実の娘じゃないからだ。
ぼくはなんてかわいそうな娘だ。
…泣きたくなって、襖を開けてしまった。
すると、母親はなんと腹筋体操の真っ最中！
「こら、開けたらあかんて言うたやん」
もうすぐ体操会で、
母親は、競争に勝つために特訓中なのだった。
「あんたがおったら集中でけへんから、ひとりでやりたかったのに〜、
もうええわ。やめよっ！」
と、食卓に来てお茶を飲んだ。
そこで、べたべたとくっつく、
しけたしょうゆのあられを一つずつ５本の指先につけ、
指をなめずに食べた…
これ、母親とぼくのお気に入りの食べ方。
「いつものことやけど、こうして食べたら、おいしいなぁ〜」
と笑う母親。
で、ぼくは５本の指を寄せて、
５つのおかきを同時にクチに入れるという技を極め、
母親の絶賛と大笑いを得たのだった。
こんなことで絶賛してくれるのは実の父母以外あり得ない。
間違いなくぼくは母親の子供だ！
すごく嬉しくて、そして、涙がとてもしょっぱかった。
